ロボット掃除機が、部屋の境目の敷居で毎回止まってしまう。
多くのロボット掃除機が自力で越えられる段差は2cm前後までなので、それより高い段差にはスロープが必要です。
スロープの長さは段差の高さから計算で決められます。
置く前に、まずはメジャーで段差を測るところから始めましょう。
ロボット掃除機が越えられる段差は2cm前後まで
多くのロボット掃除機が自力で越えられる段差は、2cm前後までです。
パナソニックの公式サポートでは、ルーロが乗り越えられる段差を「2cm未満」と案内しています。
段差を越える力を強めたMC-RSF1000だけは「2.5cm未満」です。
ルンバも2cmまでとする記事が多く、1.5cmから2cmがロボット掃除機のふつうの数字です。
3cmや4cmまで越えられる機種もありますが、数は多くありません。
3cmを超える敷居ではほとんどの機種が止まる
古い住宅では、和室と洋室の間の敷居が3cmから4cmあることがあります。
この高さになると、たいていのロボット掃除機は前輪が乗ったところで止まります。
何度も同じ場所で止まるなら、機械の故障より段差を疑ってください。
10cm以上の段差は落下防止センサーで止まる
下り側の段差は、センサーで見て落ちないようにしています。
パナソニックの案内では、約10cm以上の段差を落下防止センサーで検知して落下を防ぐとされています。
玄関や階段から落ちにくいのはこのためです。
段差の高さは低い側の床から敷居の角までを測る
段差は、低い側の床から敷居の上の角までを、左右の端と真ん中の3か所で測ります。
古い家の敷居は、場所によって数mmずつ高さが違うことがよくあります。
1か所だけ測ってスロープを作ると、端のほうで引っかかることがあるんです。
測り方は次のとおりです。
- メジャーの先を、低い側の床に垂直に立てる
- 敷居の上の角に当たる目盛りを読む
- 同じように左の端と右の端でも測る
- 3つのうちいちばん大きい数字を段差の高さにする
ラグやマットの端も、同じように床から上の面までを測っておきましょう。
パナソニックの案内では、毛足の長さが2cm以上のじゅうたんではルーロは使えないとされています。
毛足の長いラグは、スロープを置くより掃除の間だけ片づけたほうが早いです。
スロープの奥行きは段差の高さの10倍を目安にする
スロープの奥行きは段差の高さの8倍から10倍にすると、ロボット掃除機が登りやすくなります。
ロボット掃除機メーカーのNarwalは、ロボット掃除機向けの勾配を1/8から1/10としています。
勾配1/10は、10cm進むと1cm上がる傾きのことです。
奥行きは「段差の高さ×勾配の分母」で出せます。
よくある段差の高さで計算すると次のようになります。
| 段差の高さ | 勾配1/8の奥行き | 勾配1/10の奥行き |
|---|---|---|
| 2cm | 16cm | 20cm |
| 3cm | 24cm | 30cm |
| 4cm | 32cm | 40cm |
| 5cm | 40cm | 50cm |
迷ったら1/10で作るのがおすすめです。
1/8で登れなかったときに作り直すより、最初からゆるくしておくほうが手間がかかりません。
スロープの幅は、ロボット掃除機の幅の1.5倍くらいあると斜めに進入しても落ちにくくなります。
直径35cm前後の機種が多いので、幅は50cm以上を目安にしてください。
ジョイントマットを重ねれば段差スロープは自作できる
ジョイントマットを奥行きの長い順に重ねて階段状にし、両面テープで固定すればスロープが作れます。
1段ずつの高さはマット1枚分なので、2cmまでしか越えられないロボット掃除機でも1段ずつなら登れます。
ここでは厚さ1cmのマットで、3cmの段差に勾配1/10のスロープを作る例で書きます。
- マットのふちのギザギザした部分をカッターで切り落とす
- 段差の高さをマットの厚さで割って、重ねる枚数を決める(3cmなら3枚)
- 1枚目を奥行き30cm、2枚目を20cm、3枚目を10cmに切る
- 奥行きの長い順に下から重ね、マットの間を強力両面テープで貼る
- いちばん下の裏に滑り止めシートを貼り、段の低い側を敷居に突き合わせて置く
- ロボット掃除機を走らせて、登って下りられるか確かめる
幅はどの段も同じにそろえます。
賃貸の場合は、床に養生テープを先に貼ってからその上に固定すると、はがすときに床を傷めにくいです。
ホームセンターでは、裏のテープをはがして貼るだけの室内用段差スロープも売られています。
売っているスロープでも、環境や機種によっては登れない場合があるとメーカー自身が書いています。
買うときも、段差の高さに対して奥行きが長いものを選ぶと登れる確率が上がります。
スロープを置いても止まるときは3か所を見直す
スロープを置いても止まるときは、傾き、ずれ、センサーの汚れの3つを確かめます。
この3つで、たいていの止まり方は説明がつきます。
途中で止まるなら奥行きを伸ばして傾きをゆるくする
スロープの途中で空回りするのは、傾きが急すぎるときです。
1/8で作っていたなら、奥行きを伸ばして1/10に作り直してください。
3cmの段差なら、24cmを30cmにする計算です。
スロープが押されて動くなら裏の滑り止めを増やす
ロボット掃除機が乗った勢いでスロープが奥へずれると、段差との間にすき間ができます。
すき間に前輪が落ちると、そこで止まってしまいます。
裏の滑り止めシートを広くするか、両面テープで床に固定しましょう。
段差の手前で引き返すならセンサーを拭く
床の近くにある落下防止センサーにほこりが付くと、段差を正しく見られなくなります。
センサーの窓を乾いた柔らかい布で軽く拭くだけで直ることがあります。
黒っぽいラグやマットも、センサーが段差と見なして引き返す原因になります。
パナソニックも、黒っぽい色のじゅうたんではルーロを使えないと案内しています。
玄関や小上がりはスロープより進入禁止の設定が向く
5cmを超える段差は、スロープで越えさせるより、アプリで進入禁止にして分けて掃除するほうが確実です。
5cmの段差に勾配1/10でスロープを作ると、奥行きは50cmになります。
和室の小上がりのように30cmから40cmある段差では、スロープを置くこと自体ができません。
越えさせない段差は、次のように分けて考えると整理しやすいです。
- 玄関の上がりかまちや階段は、アプリの進入禁止エリアに入れる
- 小上がりの上は、ロボット掃除機を手で上に置いてから掃除を始める
- 部屋ごとの地図を作れる機種なら、部屋を分けて順番に掃除させる
落下防止センサーがあっても、センサーが汚れていれば段差を見落とすことがあります。
玄関のように落ちると困る場所は、センサー任せにせず進入禁止にしておくと安心です。
進入禁止の設定がない機種は、掃除の間だけドアを閉めておきましょう。
段差を全部測って2cmを超える場所だけにスロープを置く
まず家の段差を全部測り、2cmを超える場所だけにスロープを置いて1か所ずつ走らせてみてください。
一度に全部作ると、どのスロープで止まっているのか分からなくなります。
- 2cm未満の段差は何もしなくてよい。止まるならセンサーを拭く
- 2cmから5cmの段差は、奥行きが高さの10倍のスロープを置く
- 5cmを超える段差は、進入禁止にするかドアを閉める
測るのに使うのはメジャー1本だけです。
掃除の前に5分だけ取って、家じゅうの敷居を測るところから始めましょう。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)




