引き出しにしまったままの外付けSSD、使っていないから長持ちすると思っていませんか。
書き込みが増えないので部品は傷みにくいです。ただ、電源を入れない期間が長いと、中のデータは少しずつ読みにくくなります。
外付けSSDの寿命を決めるものと、使わない間にデータを守るやり方を順番に紹介します。読み終わったら、まず今あるSSDをつないで中身を確かめてみてください。
使わない外付けSSDの寿命で心配なのは書き込みより放置
外付けSSDの寿命には、よく混同される話が2つあります。使わないSSDで気をつけたいのは、書き込みによる消耗ではなく、放置によるデータの劣化です。
書き込みの寿命はTBWという数字で見る
SSDは書き込みを繰り返すと少しずつ消耗します。どれくらい書き込めるかの目安が、TBW(総書き込み量)です。
たとえばTBWが72TBの外付けSSDに、1年で1.8TB書き込むとします。72を1.8で割ると40なので、計算上は約40年です。
温度などの影響は入っていない数字ですが、普通の使い方なら書き込みの寿命はあまり心配いりません。あまり使わないSSDなら、なおさらです。
放置の問題は書き込みの少なさでは防げない
SSDはセルにためた電荷でデータを記録しています。この電荷は、電源を切っている間に少しずつ抜けていきます。
エラーが増えて、SSDが直せる範囲を超えると、そのデータは読めなくなります。つまり、使わないことが長持ちにつながるのは部品の話で、データの話は別です。
通電しない外付けSSDのデータが何年もつかは決まっていない
「何年でデータが消える」という一律の年数はありません。書き込み量、保管温度、SSDの状態で変わるからです。
よく出てくる数字が、一般向けSSDの規格にある「電源オフで30℃、1年間」です。これは試験の条件で満たすべき基準で、新品が1年で消えるという意味ではありません。
逆に、10年くらい問題ないことが多いという見方もあります。一方で、半年から1年以上の放置で壊れる場合があるという話もあり、意見が割れています。
年数を当てにするより、悪い条件を知っておくほうが役に立ちます。
| 外付けSSDの条件 | データの持ち | 理由 |
|---|---|---|
| 書き込みが少ない新しいSSD | 有利 | セルの消耗が少ない |
| 書き込みを何度も重ねたSSD | 不利 | 電荷を保つ力が下がりやすい |
| 高温の場所に置いたSSD | 不利 | 電荷が抜けるのが早くなる |
| QLCメモリのSSD | 不利 | TLCより保持の期間が短い傾向 |
久しぶりの外付けSSDはつないだらまずコピーする
長く使っていなかったSSDを見つけたら、中身を整理する前にやることがあります。最初にやるのは、読めるデータを別の場所へコピーすることです。
- パソコンのUSBポートに直接つなぎます。認識しないときは、別のケーブルとポートも試します。
- 読めるデータを別のSSDかHDDへコピーします。再び手に入らない写真や動画から先に進めます。
- コピーしたファイルを実際に開きます。写真、動画、ZIP、文書を何個か開ければ、ひとまず安心です。
- CrystalDiskInfoなどのソフトで健康状態を見ます。
ここで大事なのは「移動」ではなく「コピー」にすることです。移動すると元のデータが消えるので、バックアップになりません。
健康状態の表示が「正常」でも、全部のファイルが読めるとは限りません。外付けSSDの確認は、ファイルを開くところまでやっておくと安心です。
外付けSSDは通電するだけではデータを守れない
「ときどきつなげば大丈夫」と聞いたことがあるかもしれません。定期的につなぐのは良い習慣ですが、それだけでデータが消えないとは言えません。
通電中はSSDがデータを保つ処理をしますが、何分つなげば終わるのかは決まっていません。数分つないですぐ外しても、処理が終わっている保証はないです。
それでも、放置したままよりは問題に早く気づけます。おすすめは、半年に1回を目安に次の3つをやることです。
- 外付けSSDをパソコンにつないで、少し長めにつないだままにする
- 大事なファイルを何個か開いてみる
- 健康状態の表示を見る
カレンダーに予定を入れておくと、忘れずに続けられます。バックアップ用のSSDなら、数か月に1回に増やすとさらに安心です。
長く使わないデータは外付けSSDだけに入れない
外付けSSDを唯一の保管場所にしないことが、いちばんの対策です。どの機器もいつかは壊れるので、コピーを増やしておきます。
よく知られているのが3-2-1というやり方です。データを3つ持ち、2種類の機器に入れて、1つは別の場所に置きます。たとえば、パソコン本体、外付けHDD、クラウドの組み合わせです。
| 比べるところ | 外付けSSD | 外付けHDD |
|---|---|---|
| 弱いところ | 電源オフ中の保持 | 機械部品の故障 |
| 衝撃 | 可動部がなく強い | 動かす部品があり弱い |
| 容量あたりの値段 | 高い | 安い |
| 向く使い方 | 普段の持ち運びや作業 | 写真や動画の長期保管 |
HDDも壊れないわけではないので、1台にまとめれば安全というものではありません。SSDのデータをHDDにもコピーして、2種類にしておくのがおすすめです。
クラウドの同期にも注意が必要です。消したファイルや壊れたファイルも同期されることがあるので、外付けSSDの代わりとして1つだけに頼らないでください。
写真や動画のコピー先には、USBケーブル1本で動く2.5インチのポータブルHDDが扱いやすいです。
外付けSSDのコピー先にしやすい2TBのHDD
使わない外付けSSDの置き場所は涼しくて乾いたところ
保管で気をつけることはシンプルです。外付けSSDは、熱がこもらず、湿気が少ない場所に置きます。
避けたいのは次の場所です。
- 夏の車の中
- 直射日光が当たる窓ぎわ
- 暖房器具のそば
- 結露しやすい押し入れや窓の近く
しまう前のひと手間も役に立ちます。ケースに「いつ何を入れたか」を書いたシールを貼っておくと、次につなぐ日の目安になります。中身が分からないSSDは、あとで確認を後回しにしがちです。
外付けSSDの寿命を縮める使い方も避ける
普段使うときは、次の4つに気をつけます。
- 安全な取り外しをしてからケーブルを抜く
- 容量の85%を超えて入れない
- HDD向けのデフラグをかけない
- 使っている間は布やケースで包まない
とくに抜き方は大事です。書き込み中に抜くとファイルが壊れることがあるので、取り外しの操作をしてから抜いてください。
外付けSSDの買い替えは動きが変わったときに考える
年数だけで買い替える必要はありません。速度の低下や認識の遅れが出てきたら、データをコピーして買い替えを考えます。
次のような変化が出たら、早めに動くと安心です。
- 読み書きの速度が急に落ちた
- 読み書きの途中で引っかかる
- 認識されるまでに数秒以上かかる
- 以前より熱くなりやすい
ケーブルやポートが原因のこともあるので、別のものでも試してから判断してください。USB 2.0のケーブルにつないでいるだけで、遅くなっている場合もあります。
買い替えるなら、メモリがTLCかQLCかも見ておくといいです。表記がない製品もありますが、長く保管する可能性があるならTLCのほうが安心です。
持ち歩くデータ用に買い足すなら、小さくて1TB入るタイプが扱いやすいです。ただ、これも長期保管の唯一の場所にはせず、HDDなどにコピーを残して使ってください。
持ち運びやすい1TBの外付けSSD
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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