押し入れの奥から出てきた古い扇風機を捨てたいが、粗大ごみの券を買いに行くのが面倒で、分解すれば普通のごみで出せるのか気になっている。答えは、住んでいる自治体しだいです。分解して一辺30cm未満にすれば不燃ごみで出せる自治体と、分解しても扇風機は粗大ごみと決めている自治体があり、後者で分解して出すと収集されずに残されます。認められている地域なら、分解はプラスドライバー1本で10分、羽根のキャップを右に回すのがつまずきどころです。パナソニックの公式サポート、自治体の分別案内、不用品回収と買取のコラムをもとに、確かめ方、分解の順番、部品ごとの分け方、分解しないときの費用、充電式の扱い、売る方法を書きました。
分解して出せるかは自治体で違う、先にごみの案内で確かめる
分解の前に、自治体の決まりを見ます。扇風機は一辺30cmか50cmを超えると粗大ごみになる自治体が多く、分解して小さくすれば不燃ごみで出せる地域と、分解しても扇風機は粗大ごみと扱う地域に分かれます。同じ作業をしても、住んでいる場所で無料になるか、収集されずに残されるかが変わります。
確かめ方は2つです。自治体のごみ分別のページで「扇風機」と検索すると、品目ごとの区分と、分解した場合の扱いが出てきます。書いていなければ、粗大ごみ受付センターに電話して「分解して30cm以下にすれば不燃ごみで出せますか」と聞けば、その場で答えてもらえます。
横浜市を例にすると、一番長い辺が50cm以上は粗大ごみで手数料は1台200円、卓上の小さい扇風機は燃やさないごみです。東京23区の多くは30cm以上で粗大ごみ、手数料は300〜400円が目安です。手数料が200〜400円の地域なら、分解の手間と比べて、そのまま出すほうが早いこともあります。
分解は10分、羽根のキャップは右に回すと外れる
分解を認めている地域なら、作業は10分です。前ガードを外し、羽根を止めているキャップを右(時計回り)に回して羽根を抜き、後ろガードのナットを左に回して外し、支柱と台のねじを外す、この順で、工具はプラスドライバー1本で足ります。パナソニックの公式サポートに載っている羽根とガードの外し方と同じ順です。
2. 前ガードの留め具(クリップかねじ)を外し、前ガードを手前に強く引いて外す
3. 羽根の中央のキャップ(スピンナー)を右に回して外す。普通のねじと逆向き
4. 羽根を手前にまっすぐ引き抜く
5. 後ろガードの中央のナットを左に回して外す
6. 台の裏と支柱のねじを外し、支柱を抜く。伸縮式は縮めておく
7. 電源コードを根元でニッパーで切る。プラグを抜いてあれば電気は残らない
つまずくのは3番の羽根のキャップです。普通のねじと逆向きに切ってあるので、左に回すと締まって外れなくなります。回らないときは軍手をして羽根を押さえ、右に回してください。前ガードもかたく感じますが、運転中に外れないように固定されているだけなので、手前に強く引けば外れます。
羽根とカバーはプラスチック、モーターと支柱は金属に分ける
分けた部品は、素材で行き先が決まります。羽根と前後のガードと台はプラスチック、モーターと支柱とねじは金属、電源コードとリモコンの基板は小型家電か不燃ごみ、この3つに分けます。区分の名前は自治体で「プラスチックごみ」「燃やすごみ」「金属ごみ」「燃やさないごみ」と違うので、部品ごとに分別表で確かめます。
| 部品 | 素材 | 多い区分 | 小さくする方法 |
|---|---|---|---|
| 羽根 | プラスチック | プラスチック、燃やすごみ | そのまま袋に入る |
| 前後のガード | プラスチックか金属の網 | プラスチック、金属ごみ | 枠をニッパーで4つに割る |
| モーター | 鉄、銅 | 金属ごみ、小型家電 | 分解しない |
| 支柱と台 | スチール、プラスチック | 金属ごみ、プラスチック | 支柱は縮める、台は外す |
| 電源コード | 銅、ビニール | 小型家電、燃やさないごみ | 1mに切って束ねる |
金属の網のガードが付いた古い型は、網は金属ごみで、縁のプラスチックの枠と分けます。ガードが指定の袋に入らなければ、ニッパーで枠を切って4つに割ります。モーターは鉄と銅で1〜2kgあり、中に銅線が巻いてあるので資源として回収されます。小型家電の回収ボックスがある自治体なら、モーターだけ箱に入れられます。
電源コードは、コンセントから抜いたあとなら電気は残らないので、根元から切って問題ありません。1mほどに切って束ねると、収集の人が扱いやすくなります。リモコン付きの機種は乾電池を抜いて電池の回収に出し、受信部の基板は小型家電です。
分解しないなら粗大ごみ200〜600円か、量販店で550円
分解を認めていない地域や、手間をかけたくない人は、そのまま出します。自治体の粗大ごみなら1台200〜600円で予約から1〜2週間、家電量販店の店頭引き取りなら550〜1,100円で持ち込んだその日に手放せます。扇風機は家電リサイクル法の4品目ではないので、リサイクル料金はかかりません。
| 捨て方 | 費用 | 日数 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| 自治体の粗大ごみ | 200〜600円 | 予約から1〜2週間 | 急がない、いちばん安く済ませたい |
| 処理場に自分で持ち込む | 無料〜300円 | 予約した日 | 車がある、平日に動ける |
| 小型家電の回収ボックス | 無料 | その場 | 投入口(30×15cm前後)に入る小さい扇風機 |
| 家電量販店の店頭引き取り | 550〜1,100円 | その場 | 引っ越しで急ぐ、買い替える |
| 不用品回収業者 | 3,000円〜 | 最短で当日 | 家具や家電をまとめて出す |
粗大ごみは、受付センターに電話かネットで申し込み、コンビニで処理券を買って貼り、収集日の朝8時までに出します。処理場への持ち込みは受付が平日の16時ごろまでの施設が多く、首都圏では予約が1か月先になることもあります。
量販店は、ケーズデンキとヨドバシカメラが550円、ヤマダデンキが1,100円で、買い替えのときは無料で引き取る店もあります。不用品回収業者は扇風機1台だと3,000円からと割高なので、引っ越しで家具や家電をまとめて出すときだけ向いています。頼むなら自治体の許可か委託を受けた業者を選び、拡声器で回る無料回収のトラックには渡さないでください。
充電式のハンディファンは分解しない、電池ごと回収へ
手に持つ小さい扇風機は、別の扱いです。充電式のハンディファンはリチウムイオン電池が入っているので、分解せず、不燃ごみにも入れず、自治体の小型家電の回収ボックスか協力店の回収に出します。収集車で圧縮されたときに発火し、処理施設の火災につながるからです。
2025年7月には、東京都品川区のマンション火災で、手持ち型の扇風機が発火した可能性があると報じられました。電池が膨らんでいる物は、触らずにそのまま回収に持っていきます。乾電池式のハンディファンは、電池を抜いて電池の回収に出せば、本体は不燃ごみか小型家電です。
リビング用でも、DCモーターの機種やタワー型は基板が多く、分解しても素材別に分けにくいです。タワー型は羽根がなく分解できない物がほとんどなので、粗大ごみか量販店に出すほうが早く済みます。10年以上使った扇風機は、モーターの経年劣化で発火する事故が起きているので、動いていても使い続けず手放してください。
5年以内で動くなら売る、夏の前が高い
動く扇風機なら、捨てる前に売れるかを見ます。製造から5年以内で、パナソニックやシャープなど国内メーカーの機種は、リサイクルショップかフリマアプリで値が付き、売れる時期は5〜6月と8〜9月上旬です。秋から春は買う人が少ないので、急がないなら次の初夏まで待ってから出すと高くなります。
買取業者の金額はフリマの相場の3分の1以下になることが多いので、時間があるならフリマが高いです。売る前に羽根とガードのほこりを落とし、首振りとタイマーが動く様子を動画で撮っておくと、買い手が安心します。同じ機種の売れた値段を調べて少し高めに付けると、値引きの交渉に応じても損をしません。
メーカーの部品の保有期間は8年が目安で、それを超えた機種は修理できないため買取の対象になりません。地域の掲示板で無料で譲る方法もあり、梱包と発送が要らず、取りに来てもらえます。ただし約束の日に来ない、連絡が途絶えるといったことも起きるので、期限を決めて、過ぎたら粗大ごみに切り替えます。
案内を見て、分解か粗大ごみかを決めてから始める
扇風機の捨て方は、分解を認めている自治体かどうかで決まります。認めている地域なら10分の分解で羽根とガードはプラスチック、モーターと支柱は金属、コードは小型家電に分けて無料、認めていない地域なら粗大ごみで200〜600円、この2つのどちらかです。
まず、自治体のごみ分別のページで「扇風機」を検索してください。分解の可否と手数料が分かれば、券を買いに行くか、ドライバーを出すかが決まります。分解するなら、羽根のキャップは右に回す、モーターは開けない、この2つだけ覚えておけば失敗しません。
充電式のハンディファンは、どちらでもなく小型家電の回収です。動く扇風機で5年以内なら、捨てる前に1回だけ売れる値段を調べてみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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