8年前に買ったノートパソコンが、遅いけれどまだ動いている。20年くらい使えるものなら使い切りたいですよね。
結論から言うと、ノートパソコンの寿命は20年ではなく、3年から10年です。20年動いた例はありますが、ネットにつながず文章を打つだけ、のように使い道を限った特別な例です。
部品ごとの寿命と、何年目に何をするか、買い替えを決める症状を順に書くので、読み終わるころには手元の1台があと何年使えるかを自分で数えられます。
ノートパソコンの寿命は20年ではなく3年から10年が現実
上位の記事5本を読み比べると、答えは全部同じでした。メーカーが想定する寿命は3年から5年で、大事に使って10年、20年は部品を何度も替えて使い道を限った例外です。
メーカーの想定は3年から5年で部品の寿命は最長10年
ノートパソコンの寿命が3年から5年と言われるのは、メーカーの保証と部品の設計がそこを基準にしているからです。保証は1年が基本で、延長しても5年までのメーカーがほとんどです。
上位記事では、税務上の法定耐用年数が4年、実際の平均使用年数は7.7年と紹介されています。つまり多くの人は、保証が切れてから2年から3年は使い続けています。
部品でいちばん長持ちするメモリでも約10年が目安です。10年を超えると、どこか1つが壊れるのではなく、複数の部品が同じ時期に弱ってきます。
20年動いた例はあるが使い道を限った特別なケース
20年使っている人の報告は、確かにあります。ただし中身を読むと、中古で買ったThinkPadを20年目に故障が目立つ状態で使っていたり、ネットにつながず文章作成だけに使っていたりする例です。
20年前のノートパソコンは、CPUが1.7GHz前後、メモリが512MBから2GB、ストレージが40GBから100GBのHDDでした。今のスマホより性能が低いので、動画サイトを開くだけで固まります。
動くことと使えることは別です。20年を目標にするより、10年を目標にして、その間に何をするかを決めるほうが現実的です。
「壊れる寿命」と「使えなくなる寿命」は別物
ノートパソコンの寿命は3種類に分けて考えると分かりやすいです。部品が壊れる寿命が3年から10年、OSの更新が止まる寿命がおよそ10年、性能が足りなくなる寿命が5年から10年です。
上位記事の1本では、5年でCPUの性能は約3.5倍上がると書かれていました。壊れていなくても、新しいアプリが重くて動かなくなるのが「使えなくなる寿命」です。
この3つのうち、いちばん早く来たものがその1台の寿命になります。壊れていないのに買い替えを勧められるのは、あとの2つが先に来ているからです。
部品ごとの寿命を知ると何年目に何が起きるかが見える
ノートパソコンは、部品ごとに寿命がまったく違います。先に弱るのはバッテリーとHDDで、次にファンとキーボード、最後に液晶とメモリという順番です。
| 部品 | 寿命の目安 | 先に出る症状 |
|---|---|---|
| バッテリー | 2年から3年 | 持ち時間が半分になる |
| HDD | 3年から4年 | カタカタ音とファイルのエラー |
| SSD | 5年以上 | 起動が急に遅くなる |
| キーボード | 約5年 | 特定のキーが効かない |
| 冷却ファン | 約7年 | 音が大きくなり本体が熱い |
| 液晶 | 約8年 | 暗くなる、線が入る |
| メモリ | 約10年 | 起動しない、フリーズ |
バッテリーは2年から3年で持ち時間が半分になる
ノートパソコンで最初にだめになるのはバッテリーです。充電と放電を300回から500回くり返すと、容量が新品の半分ほどに落ちます。毎日充電すれば、1年半から2年でそうなります。
1日8時間以上使う人だと、2年から3年で容量が50%から60%まで減ったという例が上位記事にありました。持ち時間が短くなっても、電源につないで使う分には動きます。
バッテリーが膨らんできたら別です。本体の底やキーボードが浮いてきたら、使うのをやめて、メーカーか販売店に相談してください。
HDDは3年から4年でSSDは5年以上が目安
データを保存するストレージは、HDDなら3年から4年、SSDなら5年以上が目安です。故障の9割以上はストレージが原因という記事もあり、ここが寿命を決めていると言ってもいいくらいです。
HDDは中で円盤が回っているので、落としたり、動かしながら持ち運んだりすると寿命が縮みます。SSDには回る部品がないので、衝撃には強いです。
ストレージの状態は、無料のソフトで数字として見られます。「注意」や「異常」と出たら、壊れる前にデータを外付けに移してください。
冷却ファンと液晶とキーボードは5年から8年
ファンは約7年、液晶は約8年、キーボードは約5年が目安です。ファンは埃がたまると音が大きくなり、回りきらないと本体が熱くなって、ほかの部品の寿命まで縮めます。
液晶は少しずつ暗くなり、縦や横に線が入ってきます。外付けのモニターにつなげば使えるので、液晶だけなら寿命とは呼びません。
キーボードは、よく使うキーから効きが悪くなります。USBのキーボードをつなげば続けられるので、これも寿命ではなく不便さの問題です。
10年を超えて使うために年数ごとにやること
上位記事は「熱対策」「バックアップ」「バッテリー管理」を並べて書いていますが、いつやるかは書いていません。1年目から毎月やることと、3年目、5年目、7年目に1回ずつやることに分けると、10年は現実的な目標になります。
1年目から毎月やるのはバックアップと排気口の埃取り
買ったその月から続けるのは2つだけです。月に1回、写真や書類を外付けのSSDかクラウドに写すこと。そして、排気口と吸気口の埃を掃除機かブロワーで吸うことです。
埃は熱の原因で、熱はすべての部品の寿命を縮めます。布団やソファの上で使うと吸気口がふさがるので、机の上か、下に本を1冊はさんで隙間を作ってください。
バックアップは、壊れてからでは間に合いません。壊れたストレージからのデータの取り出しは業者に頼むしかなく、保証でも戻ってきません。
3年目にバッテリーの設定と保証の確認
3年目は保証が切れる時期です。延長保証に入っていた人は、切れる前に気になる症状をまとめて見てもらってください。
バッテリーは、充電を80%で止める設定がある機種なら、ここで有効にします。20%から80%の間で使うと劣化が遅くなります。電源をつなぎっぱなしで使う人ほど、この設定が効きます。
設定が無い機種は、月に数回はバッテリーだけで30%くらいまで使ってから充電してください。上位記事でも「つなぎっぱなしが劣化を早める」と書かれています。
5年目にストレージをSSDに替えて初期化
5年目は、HDDの機種ならSSDに交換するタイミングです。HDDの寿命の目安を過ぎているうえ、SSDにすると起動が数分から数十秒に縮みます。
交換できる構造の機種なら、ネジを外して差し替えるだけなので、自分でやる人も多いです。裏ぶたがネジで開かない機種は、メーカーか修理店に頼んでください。
交換のついでにOSを入れ直すと、たまった不要なソフトも消えて、買ったときの軽さに近づきます。上位記事でも、修理は購入3年以内、4年以上は買い替えのほうが安いと書かれていますが、ストレージ交換だけは例外で、費用に見合います。
7年目以降はネットにつなぐ用途を減らす
7年目を過ぎると、平均使用年数の7.7年に届きます。ここからは、壊れる前提で使う時期です。銀行の手続きや買い物のような、パスワードを打つ用途は新しい端末に移してください。
古い機種は、動画を見る、文章を打つ、写真を見るといった用途に限ると、まだ数年は使えます。ネットにつながない使い方なら、OSの更新が止まったあとも危険は小さいです。
この時期に大事なのは、次の1台を「壊れてから慌てて買わない」ことです。バックアップさえあれば、いつ壊れても困りません。
使わなければ長持ちするは半分だけ正しい
「たまにしか使わないから20年もつはず」と考える人が多いですが、これは半分だけ正しいです。使う時間が短いほど部品の摩耗は減りますが、しまいっぱなしにするとバッテリーが先にだめになります。
週に数回の軽い作業なら10年は珍しくない
1日2時間から3時間の軽い使い方なら5年から10年、1日8時間から12時間の重い使い方なら3年から5年という目安が上位記事にありました。使う時間が3分の1なら、部品の消耗もそれに近い割合で減ります。
ネットと文書作成だけの使い方で6年から7年、動画編集やゲームで3年から5年という分け方もあります。同じ機種でも、使い方で寿命が2倍違うということです。
年に数回しか使わないのに10年動いている、という報告も複数ありました。ただしその機種は、Wi-Fiが不安定になったり、動画サイトが重くなったりしています。
押し入れに入れたままだとバッテリーが先にだめになる
リチウムイオン電池は、使わなくても少しずつ減ります。0%のまま何か月も置くと、充電を受け付けなくなることがあります。
長く使わないときは、40%から50%まで充電してから、直射日光の当たらない涼しい場所にしまってください。数か月に1回は電源を入れて、OSの更新もかけておきます。
湿気も避けてください。押し入れの奥より、本棚のような風の通る場所のほうが向いています。
20年近く使いたい人が買う前に見るのは3か所
これから買う1台をできるだけ長く使いたいなら、性能より作りを見てください。裏ぶたを開けてストレージとメモリを替えられること、法人向けの機種であること、保証を5年まで延ばせることの3つです。
15年以上使った報告のほぼ全部が、部品を何度か替えています。裏ぶたがネジで開き、SSDとメモリが差し替えられる構造なら、5年目の交換が自分でできます。薄さを優先した機種は、部品が基板に直づけで替えられないことが多いです。
法人向けの機種は、会社が4年から5年使う前提で作られていて、キーボードやヒンジが丈夫です。個人向けより地味ですが、同じ値段なら長くもちます。
保証は延長できる上限を確かめてください。5年まで延ばせるメーカーなら、5年目のストレージ交換まで安心して使えます。
買い替えを決めるのは年数ではなく症状とOSの更新
何年使ったかより、いま出ている症状で決めるほうが正確です。起動に5分以上かかる、週に何度もフリーズする、異音や焦げたにおいがする、この3つのどれかが出たら買い替えの準備に入ってください。
起動に5分以上かかるかフリーズが週に何度も出る
上位記事の調査では、多くの人の起動時間は41秒から1分でした。5分以上かかるなら、ストレージかメモリが弱っています。
フリーズが週に何度も起きるのも同じです。ただし、ストレージの空きが10%を切っているだけ、という場合もあります。先に空きを15%以上に増やして、それでも直らなければ寿命です。
起動が遅いだけなら、SSDへの交換で直ることが多いです。5年以内の機種なら、買い替えの前に交換を考えてください。
異音と熱と焦げたにおいは修理より買い替え
カタカタ、ガリガリという音はHDDの寿命です。ファンの音が大きくなり、キーボードが熱くて触れないほどなら、ファンか内部の埃が原因です。
焦げたにおいがしたら、すぐに電源を切って使うのをやめてください。バッテリーや基板の異常で、火災につながる恐れがあります。ここは修理ではなく買い替えです。
勝手に電源が落ちる、再起動をくり返すのも、ファンや基板の不調のサインです。4年を過ぎた機種なら、修理代より新品のほうが安く済むことが多いです。
Windowsの更新が止まった機種はネット用途をやめる
Microsoftの案内では、Windows 10への無料のセキュリティ更新はすでに終わっています。Windows 11に上げられない機種は、おおむね2017年より前に出たCPUを積んだものです。
更新が止まった機種でネットバンキングや買い物をすると、パスワードを盗まれる危険が高まります。壊れていなくても、ネットにつなぐ用途はここで終わりにしてください。
手元の機種がWindows 11にできるかは、設定の「Windows Update」で確かめられます。できない機種は、ネットにつながない用途に回すか、買い替えを決める時期です。
手元のノートパソコンの残り年数はこう数える
ここまで読んだら、自分の1台の残り年数を数えてみてください。買った年から数えて10年を上限にし、Windows 11にできない機種はそこからネット用途の寿命を引き、バッテリーとストレージを替えていなければさらに短く見ます。
たとえば7年前に買ったHDDの機種で、Windows 11にできないなら、ネット用途の寿命はもう来ています。文章や写真の用途に限れば、あと2年から3年です。
3年前に買ったSSDの機種なら、残りは7年前後です。バッテリーの設定をして、毎月のバックアップと埃取りを続ければ、10年目まで使えます。
数え終わったら、帰ってすぐやることは1つだけです。外付けのSSDかクラウドに、写真と書類を写してください。それさえ済んでいれば、寿命がいつ来ても困りません。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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