骨伝導イヤホンの音漏れは電車でどこまで聞こえる?

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耳をふさがないから通勤にちょうどいい。そう思って骨伝導イヤホンを買ったのに、電車に乗ると音漏れが気になって使えていない。そんな人はかなり多いです。答えを先に書くと、骨伝導イヤホンは構造上どうしても音が漏れます。ただし漏れる量は製品と音量と装着位置でまるで違うので、数字を決めてしまえば電車でも使えます。

シズカさん
シズカさん

隣の人にシャカシャカ聞こえていないか、気になって落ち着かないんです。

骨伝導イヤホンが電車で音漏れするのは構造のせい

骨伝導イヤホンは、こめかみの骨を振動させて音を届けます。その振動が骨だけでなく本体や周りの空気にも伝わるので、音漏れは避けられません。

耳の穴をふさぐカナル型は、音の出口が耳の中で閉じています。骨伝導は出口が外に開いたままなので、条件が最初から違います。

漏れる音は低音ではなく高音のほうです。だから隣の人にはシャカシャカという音として届きます。音楽の全体が聞こえるわけではないぶん、逆に耳につきやすい音になります。

耳をふさがないイヤホンには、骨の振動で音を届ける骨伝導型と、耳の入口付近のスピーカーから空気を振動させる空気伝導のオープンイヤー型があります。音漏れの起こり方は違いますが、どちらも耳の穴が開いている以上、カナル型よりは漏れます。

漏れる量は製品差が大きく、4分の1は歌詞まで聞こえた

「骨伝導は全部うるさい」でもありません。実際に測ると、気づかれにくい水準に収まる製品と、歌詞まで聞き取れる製品に分かれます。

マイベストが騒音計で漏れた音を測った検証では、気づかれにくい5dB以下だった製品は全体の半数以下。約4分の1は10dB以上漏れていて、楽曲の歌詞が聞き取れるほどだったと報告されています。いちばん抑えられていた製品は2.7dBでした。

漏れた音の大きさ 周りにどう聞こえるか 検証での割合
5dB以下 気づかれにくい 全体の半数以下
10dB以上 歌詞が聞き取れる 約4分の1

手持ちの製品がどちら側かは、買ってしまった後では調べようがありません。だから次の3つ、音量と装着位置と使う場所のほうを自分で動かします。

電車で音量が上がるのは、走行音に負けるから

音漏れの引き金は、たいてい音量です。そして電車では、その音量が勝手に上がっていきます。

骨伝導イヤホンは耳をふさがないぶん遮音性がありません。電車の走行音がそのまま耳に入るので、音が聞こえず、無意識に音量を上げてしまいます。地下鉄やトンネルの区間では特にそうなります。

ここで起きるのが二重の問題です。走行中は騒音にまぎれて漏れが目立ちませんが、駅に停まった瞬間に周りが静かになります。音量は上げたままなので、そこで一気に聞こえます。

停車中とホームでの待ち時間が、いちばん漏れが目立つ場面です。走行中に上げた音量を下げ忘れたまま降りると、静かなエレベーターやオフィスまで大きい音のまま持ち込むことになります。

学会が示す上限は最大音量の60パーセント

では、どこまで下げればいいのか。ここは感覚ではなく、決められた数字があります。

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、再生機器の最大音量の60パーセント以下、または周りの会話が聞き取れる程度の音量なら安全な水準としています。あわせて、1時間に10分ほど耳を休めることも勧めています(2025年3月時点の掲載内容)。

この60パーセントは、音漏れの基準として作られた数字ではありません。難聴を防ぐための上限です。ただ結果として、音漏れが問題になる音量とほぼ重なります。難聴を防ぐ音量に収めれば、隣の人にもほとんど届きません。

WHOは成人で80dBを週40時間までを許容基準としていて、音が3dB大きくなるごとに許容時間は約半分になると同学会は説明しています。83dBなら20時間、86dBなら10時間です。毎日の通勤で1時間ずつ使うなら、週5時間。音量さえ守れば十分に収まる範囲です。

装着位置がずれているだけで漏れていることがある

音量を下げたのにまだ気になる。その場合は、位置を疑ってみてください。

振動する部分が骨に密着していないと、振動が肌に伝わらず、そのまま空気へ逃げます。同じ製品でも、正しく当たっているかどうかで漏れ方が変わります。

当てる位置は、こめかみから耳のすぐ前あたりです。装着したあとに指で軽く押さえてみて、押さえた瞬間に音が大きくはっきり聞こえるなら、それまで浮いていたということになります。

メガネやマスクをかけている人は、つるやひもがイヤホンの下に入り込んで浮きやすくなります。メガネを先にかけてからイヤホンをつけると、位置が安定しやすいです。

乗る前の確認は3つ。音量は最大の60パーセント以下。振動部分がこめかみに密着しているか指で確認。メガネやマスクの上にイヤホンが乗っていないか。
トモキさん
トモキさん

浮いていると音が遠く感じて、それでまた音量を上げていたわけですね。

買い替えるなら軟骨伝導かノイズキャンセリング付き

音量も位置も直したのに漏れが収まらないなら、機種のほうを変える手があります。買い替えで効くのは、軟骨伝導タイプか、ノイズキャンセリングを積んだモデルです。

軟骨伝導は、こめかみの骨ではなく耳の入口の軟骨に音を伝えるタイプです。骨を強く振動させないぶん、振動そのものが小さく、こめかみの締め付けも弱くなります。オーディオテクニカのATH-CC500BT2などがこの形です。密着が弱いぶん走ると外れやすいので、通勤の電車向きという性格になります。

ノイズキャンセリングのほうは、漏れを直接減らす機能ではありません。走行音が小さく聞こえるので、音量を上げずに済むという効き方です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も、電車で騒音に負けて音量を上げてしまう対策として、この機能付きの製品を挙げています。

骨伝導は耳をふさがない前提の製品なので、ノイズキャンセリングを積んだモデルはまだ多くありません。買うときは製品ページで搭載を確かめてください。

シズカさん
シズカさん

音量を上げなくて済むようにする、という考え方なんですね。

電車だけカナル型に持ち替える人も多い

ここまで守っても、混んだ車内で人と肩が触れる距離なら、気になる人は気になります。電車の中だけカナル型に持ち替えるという使い分けが、いちばん確実です。

タイプ 音漏れ 電車での使いやすさ
骨伝導 音量を上げると漏れる 走行音で聞こえにくい
空気伝導オープンイヤー 製品差が大きい 骨伝導より音質は安定
カナル型 漏れにくい 遮音性があり音量を上げずにすむ

骨伝導が生きるのは、周りの音を聞きながら何かをする場面です。家事や在宅の仕事、ランニング、散歩。インターホンや後ろから来る車に気づけるのは、耳をふさがないイヤホンだけの強みです。

逆に、混雑した電車、図書館、静かなオフィス、エレベーターは苦手な場所になります。ここは無理に使わず、カナル型に持ち替えるほうがラクです。

毎日の通勤で骨伝導を使い続けたい場合は、音量を60パーセント以下に固定して、停車のたびに一度確認する。この2つを習慣にすれば、周りに気を遣いすぎずに済みます。

ここに載せた検証結果と推奨音量は2026年9月時点で公開されている内容です。製品ごとの音漏れの大きさは機種によって違うため、購入前にメーカーの説明や実測レビューをお確かめください。
この記事を書いた人
ムラサキしん
多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。
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